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一万時間の法則は嘘?たった20時間で十分なジョシュ・カウフマン理論

一万時間の法則とは?

ミスター・リー
ケヴィン、何を読んでいるんだい?
ケヴィンは椅子にもたれかかりながら足を組み、一冊の本を読んでいた。
ケヴィン
ああ、これマルコム・グラッドウェル著の『天才! 成功する人々の法則』さ。
マルコム・グラッドウェル: 知られざるダビデとゴリアテの物語 | TED Talk | TED.com
参照元:マルコム・グラッドウェル: 知られざるダビデとゴリアテの物語 | TED Talk | TED.com
ミスター・リー
ああ、マルコム氏のこの本ね。一万時間の法則が世の中に広まるきっかけとなった本でもあるよね。全米で発売してからたった3ヵ月で100万部を突破した超ベストセラーだっけ。

そもそも一万時間の法則とは何?という方のために・・・
1万時間の法則とは、どんな分野においても一人前(プロ)になるにはおよそ1万時間必要という理論。「石の上にも三年」ということわざがあるが、一日10時間何かをやったとして、365日×3年で丁度10950時間になる。そう考えるとこの格言はあたっているかもしれない・・・。

もともとはフロリダ州立大学心理学部教授 アンダース・エリクソン先生の提唱した理論がベースとなっている。

http://cogpsy.sfc.keio.ac.jp/able2014autumn/

エリクソン教授は、「超一流」研究の第一人者である。(『タイム』『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ、各紙誌で取り上げられた。)

「なぜどんな分野にも、超一流と呼ばれる人が存在するのか」という疑問から、30年以上にわたり、スポーツ、音楽、チェスなど、あらゆる分野における「超一流」たちのパフォーマンスを科学的に研究

そこから、どの分野においても、トッププレーヤーは必ずある共通の練習法を採用していることを突き止め、それを「限界的練習(deliberate practice)」理論として発表した。

ケヴィン
アメリカではちょっとインテリなビジネスパースンは皆必ずこの本を読んでいるのさ。
ミスター・リー
ケヴィン・・・自分がインテリだといいたいのか笑
ケヴィン
ただ、この一万時間の法則に対して、違った見解もある。それが、ジョシュ・カウフマン氏の研究で解説されているんだ。まずこれを見てくれ。

ジョシュ・カウフマン氏曰く、20時間で事足りる

最初の「超競争的な分野のトップになるために1万時間かかる」が「何かの達人になるために1万時間かかる」になり、それが、「何かが得意になるためには1万時間かかる」になり、そして「何かを習得するのに1万時間かかる」へと変わってしまったのです。しかし、この最後の「何かを習得するのに1万時間かかる」、これは間違いです。本当ではありません。

ミスター・リー
ほう、これは面白いね。最後のウクレレで実証しているしね笑。確かに「何かを学ぼうと思ったら1万時間かかる」という認識だと誤解してしまいがちだけど、そうじゃないってことが分かりやすく語られているね。
ケヴィン
そうなんだ。結局、この1万時間というのは、専門家レベルを指すものであって凡人向きではないということだね。正直、得たいスキルの中には「まあまあ良い」レベルであれば十分のものが殆どだったりするし。

何か新しいことを始めて、「とても下手くそで、それを自分でも自覚している」状態から、「まあまあ良い」レベルまで、それも出来るだけ最短期間で到達するためには、どのぐらい時間がかかるでしょうか? 私の調査によると、20時間です。たったそれだけなのです。全く何もわからない状態から始めて、思いつくかぎりどんなスキルでも、20時間あれば良いのです。言語を学びたいでしょうか? 絵を描きたいですか? それとも燃えるチェーンソーで曲芸をすることでしょうか?20時間、集中して計画的に練習すれば、びっくり仰天するでしょう。自分がどれだけ上達したかに驚くはずです。20時間なら実行可能です。1日約45分間を、約1ヶ月間続ければ良いのです。時々2、3日とばしたってかまいません。20時間なら練習を重ねるのも、そんなに大変ではありません。

ミスター・リー
20時間・・・とは驚いたな笑。1万時間の500分の1じゃないかorz
ケヴィン
Awsome!そうそう!ただ、TEDの中でジョシュ氏は気を付けなければいけないことにも言及しているよ。
  • 正確に何を上達させたのか決めたら、スキルを分解し、その重要な部分から最初に練習すること。
    どの部分が自分が上達させたいところに最も効果的があるのかを明確に決めてから取り組むこと。
  • 実際に練習して自己修正していく上で必要なだけ学ぶこと。本やDVDを見るだけで終わらない。それは学習とはいえない。実際に練習しながら自己修正できるだけ行う。学習とは間違った時に気づいてそのやり方を変えられるようにするために行う。
  • テレビやネットなどの練習の邪魔になる誘惑を取り除くこと。
  • 少なくとも20時間は練習をやり抜くこと。やりたいことが何にせよとりあえず20時間練習すると決めること。最初はフラストレーションの壁(やるのがばかばかしく思える)があるけども、それを越えること。

新しいことを始める上での壁は実は自分の感情にある

自分のしたいことがたとえ何であっても、新しいことを学ぶ上で障害となるのは、知的なことではありません。たくさんのちょっとしたヒントや、コツを学ぶプロセスでもありません。障害の大部分は感情的なものです。私たちは怖いのです。自分がバカみたいだと思うことは、気持ちの良いことではありません。何か新しいことを学習し始めた時、誰でも本当にバカバカしいと思うのです。知的じゃなく、感情的でしょう?でも、何でもいいから20時間練習してみてください。何を学習したいですか? 言語ですか? 料理でしょうか? 絵を描くことでしょうか? 何に興味がありますか? あなたをときめかせる事はなんですか? それをやってみてください。たったの20時間しかかかりません。楽しみましょう。

ミスター・リー
何か新しいことを始める時っていうのは実は怖いものなのかもしれないね。自分ではあまり認識していなくても感情のレベルで実は恐れていたりする。
ケヴィン
Yeah、本当の壁はスキルとかそういうものじゃなくて、それに向かっていくための気持ちだけなのかもしれないね。たった20時間効率よく行う意志と意欲さえあれば、ある程度のことはできるということさ。

著者のジョシュ・カウフマンは、ベストセラー『Personal MBA』(ビジネススクールに行かずに、MBAの知識を身に付ける方法を説いた)の著者。

人が何か新しいスキルを身に付ける際に、短時間で効率よく習得できる単純なアプローチ法を開発した。

そのアプローチ法を、ヨガ、コンピュータープログラミング、碁、ウクレレ、ウインドサーフィンなどの習得の実例(著者の経験)を通じて解説する。







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JUTAKAノマドワーカー
約10年間の海外勤務を経て、海外・国内ノマドワーカーとして独立しました。日本をベースにタイ、カンボジア、ベトナム、インドネシア、フィリピンを拠点に活動しています。