目次
自分らしいリーダーになるためのステップ
今回ご紹介したいのでは上記書籍の第8章で述べられている内容についての考察です。
最初は「自分らしいリーダーシップって何だろうか?」と疑問に思えていましたが、実際に本書を読んでみるとリーダーシップをする上ではいかに自分らしくあるべきかという点が重要だということに気づきました。
どのようなリーダーシップを目指せば良いのか?
リーダーシップというものについては二種類のやり方があります。
- 優秀なリーダーのやり方を真似て行う模倣リーダーシップ
- 自分独自のやり方で行う自分らしいリーダーシップ
誰もがまずは優秀なリーダーになりたいと思うでしょう。
しかし、本書ではこの点については後者を目指せと述べられています。
理由としては以下です。
- 多くのリーダーシップ研究をやってきたが結果的には「これ!」という共通の特徴がないため。
- 膨大な研究結果では、理想のリーダー像などは無く、リーダーとして成功するための成功法則など無い。
- 信用は模倣からは生まれないので他者からは真似をするべきではない。
- 誰かの真似ごとをしてもそれは本当の自分ではない。
- リーダーシップには多種多様のスタイルがあるため。
信用は、誰かを真似ている時ではなく、ありのままの自分を表現できている時に得られるものである。
色々な経営者の書籍を呼んでも皆スタイルが異なっていたり、特性が異なっていたりします。
他者を知ることは大事なことですが、リーダーシップにおいて大事なのは自分らしさを追求することなのですね。
リーダーシップの方法は十人十色。
自分らしくリーダーシップを行うというのはどういうこと?
本書ではビル・ジョージ著『ミッション・リーダーシップ―企業の持続的成長を図る』を参考にその点が言及されている。
簡単にまとめると、
- 目標を持ち情熱を持ち取り組む
- 自分の価値観を曲げないで実行する
- 知識だけではなく感情で人をリードする
- 長期的な良い人間関係を築く
- 自分を律する
- 自己認識を高める
以上になります。
これらはスキルとか特徴という以前の話で、誰でも実行可能です。
これこそが自分らしいリーダーシップを行うために実行しなければいけないことです。
自分の内側からリーダーシップを探す作業
リーダーシップというのはその人の人生経験に裏付けられることが多いようです。
だからこそ、自分の自己認識や価値観を棚卸しする必要があります。
- リーダーシップは誰もが持つ素質であると認識する。
- リーダーシップは人生経験が影響している。
- 多くのリーダーは独学で自己成長してきた。
- 自分史を作成して自己認識を高める必要がある。それが行動の基礎になる。
- 価値観・原則に従う。
自分史を作成することで自分の人生に意味づけをする
自分らしいリーダーシップを実現するには自分史というものが欠かせないようです。
自分史とは自分の半生を振り返りそれを文章にしたものです。
ではなぜ自分史を作成することがリーダーシップにつながるのか。
それは過去の経験を受け入れることで自分なりの解釈として捉えそれが原動力となるから、と言えます。
実は私も以前27歳の時に自分史というものを作成したことがあります。
それまでの人生に起こったことを章に分けて、それに意味付けを行いました。
するとどれだけ嫌だった出来事も点としてではなく、一本の繋がった線として、意味のあるものとして捉えられました。
その時に湧いてきた原動力というのは未だに忘れません。
自己認識力を高めていく必要がある
あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、リーダーが取組み続けなければならないことのひとつがこの「自己認識力」を伸ばすことのようです。
ハーバードビジネスレビューさんの方でこの自己認識力についてわかりやすい解説がありましたので、参考にURLを載せておきます。
研究が示すところによれば、自分について明確に認識している人は、より自信があり、より創造的である。より適切な判断を下し、より強い人間関係を築き、コミュニケーション能力も高い。嘘をついたり、騙したり、盗んだりする可能性が低い。仕事のパフォーマンスが優れ、昇進しやすい。そして、より有能なリーダーであり、その部下の満足度は高く、会社の収益向上にも貢献している。
出典:リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点 | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
自己認識力を高めるために行わなければならないこととしては、
- 自分の内面を深く考える(自分の心の声を聞く)
- 自分史を作成し過去に向き合う
- 周囲の人間の建設的批判を無視せず受け入れる(人の話を聞く)
- 自分の欠点・失敗を許す→自分の弱さを認める→結果より人間らしくなる
- 自分を責めない
100%の人間はいない。
少なからず皆失敗はしているし、人にさらけ出したくない過去もある。
ただ、自分だったらどういう人間についていきたいか?と考えれば・・答えはひとつしかないです。
それはより人間味のあるリーダーですよね笑。
価値観を行動で示す
価値観を行動で示すことも自分らしいリーダーシップを行うには大事なことのようです。
逆に価値観に従わなければ「なんかおかしいんだけどな」と思いながら進めていくことになる。
これでは自分らしいリーダーシップを行っているとは言えませんよね。
大事なポイントとしては、
- 価値観はその人の信念から生まれる。
- 価値観は行動で示す。
- 価値観はプレッシャーのかかる時に分かることが多い。
- 直感で「これは倫理的におかしい」と思うことはやらない。
こういったことの実践です。
自分史を作成していく中で価値観を見つけ出し、それを実践していきたいですね。
自分が一番モチベーションを保てることにフォーカスする
リーダーはその組織で一番やる気がなければならない人物です。
そもそもリーダーは、高いモチベーションを維持する必要がある。それも自身の人生のバランスを崩すことなく、モチベーションを保たなければならない。したがって、自分を動かす動機を理解することが極めて重要だといえるだろう。
つまりは、自分は何によってやる気が出るのかを知る必要があるということです。
本書では2種類の動機が挙げられています。
- 外発的動機・・・昇進・報酬・インセンティブや周囲の評価
- 内発的動機・・・自分の成長や他者の成長、社会の大義や世界のためにという動機
この2種類あります。
このどちらから自分が満足するかをまずは理解する必要があると述べられています。
また、内発的動機は外発的動機よりも深い満足感を得られるようですね。
優れた応援団をつくる
優秀なリーダーは優れた応援団をつくることも大事だと述べられています。
いかなるリーダーも自分一人の力だけでは成功することはできない。はた目には自信満々に見える人であっても、誰かのサポートやアドバイスが必要である。なかでも確固たる人間関係は、視野を広げてくれる。それがなければ、あっさり道に迷ってしまうだろう。
以下が大事なポイントです。
- 応援団は配偶者、家族、先輩、親友、同僚で構成される
- 辛い時に弱さをさらけ出せる人をつくる
- ありのままの自分でいられる人をつくる
- 助言や意見を言ってくれる人をつくる
- 長い月日をかけて育まれる人をつくる
- 無条件に自分を受け入れてくれる人をつくる
- 価値観や目的の合う人をつくる
- 相互学習ができる人をつくる
応援団のサポートなしでは素晴らしいリーダーシップはなしえないということですね。
生活は堅実でしっかりしていてバランスを大事にする
自分らしいリーダーシップを行うには堅実な生活も重要なようです。
ワークライフバランスを保ち、仕事もでもプレイベートでもしっかりとこなすことで、自己認識を失わずにいられるためです。
- 生活に一貫性を出すには規律が必要
- 悪い習慣に堕ちないようにする
- 生活に一貫性があるとリーダーシップの質が高まる
- ワークライフバランスを保つ
- 家族や友人との時間を大事にする
- 運動を行う
- 読書など精神に良いことをする
- 新しいことに取組んで見る
- 趣味を持つ
などです。
これらが自分らしさを保つ上では非常に大事になってくるようです。
権限を与えたリーダーをつくる
自分らしいリーダーになるには、部下に権限委譲をすることがいかに大事かについても述べられています。
彼ら彼女らは、組織として成功を収めるカギは、部下のいない現場の社員たちを含め、あらゆるレベルで、十分な権限が与えられたリーダーたちを配置することだと心得ている。自分らしさを貫くリーダーは周囲の人間を刺激するだけではなく、権限を与えてリーダーになるように仕向けている。
長期的に良い業績をつくっていくには自分だけの力では限界です。
その点、部下に責任を持たせて新たにチームをつくればその部下がリーダーとなり、業績の向上につながります。
ただ自分だけが良いリーダーになるだけではダメで、その部下をリーダーにしてしまう。
そうすればさらに組織は大きくなり、結果継続的な利益につながるというロジックでしょうか。
リーダーシップの目的って何?
リーダーシップの目的とは、以下2つに集約されるようです。
- 数字を出すため・・・長期的に好業績を継続すること
- 達成感や満足感を得るため・・・内発的動機でご説明した、集団を率いて目標を達成することの喜び
自分らしいリーダーシップについて考えてみて
リーダーシップは奥が深いです。
他者の真似事はなく自分らしいリーダーシップをとれるかが大事なのかということは非常に理解できました。
突き詰めて考えてみると、リーダーシップはリーダー問わず上記述べてきた内容はすべて大事だと思います。
リーダーは集団の手本でなければいけません。
人間関係もライフワークバランスも堅実にしっかりとできていない者に良いリーダーシップが取れないというのは何となく分かります。
本書は一回だけ読み返せばOKという類の本ではなく、継続的に何度も読み込んでいかなければいけない良書だと実感しています。
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