ボクシングにおける筋肉の必要性について

ボクシングに腕っぷしの力は本当に不必要なのか?

ボクシングにおいては腕っぷしの腕力は必要かどうかという問いは巷でよく聞かれますが、結論から述べれば「無いよりはあった方が良いもの」です。
そもそもなぜこのような議論がボクシングにはあるのかといえば、ボクシングは階級制の競技であり、筋トレやボディビルダーのような硬い筋肉は重くなるし、必要ないと考えられてきたためでしょう。
しかしながら現代の発達したボクシング競技においてはこのような考えは古いといえます。

腕力が必要な理由としましては、

接近戦での打ち合いになった際に押し負けなくなる。
パンチ力が向上する。
パンチが堅くなる。
筋持久力が高まる。
一発一発の瞬発力・スピードが上がる。
このようなメリットがあるためです。
もちろん、階級制なので重すぎる筋肉形成は減量に支障が出ますが、腕力は無いよりは俄然合ったほうが良いものなのです。

例えば、かつてあのアジアの伝説、マニー・パッキャオに勝利したことのある、アメリカのティモシー・ブラッドリーという選手は、筋トレをボクシングの練習の中に沢山取り入れている選手です。

動画を見れば分かるように、ボクサーのトレーニングとは思えないようなバーベルトレーニングや、ウエイトトレーニングを行っています。
その隆起した上半身の筋肉はもはやボクサーとは思えない程逞しい状態です。

どの筋肉を鍛えればパンチ力が上がるのか?

結論から言えば脚力です

「走り込みをしなくなった選手は選手としては終わり」

と昔ジムで現役チャンピオンから言われたことがありますが、パンチ力を上げるには下半身のパワーをつけることが重要でしょう。

なぜなら、パンチというのは連動の動きであるからです。

これはどういうことかといいますと、パンチの威力というのは、そもそも下半身から伝わった動きが、最終的に上半身→腕→拳に伝えられてパンチとなります。その中で、体の捻りが加わり結果的に威力が生まれます。

よくボクシングの世界では「手打ち」というパンチがありますが、これは下半身のパワーを使わずに、上半身だけ、もしくは腕だけでのパンチをいいます。この手打ちではパンチ力は生まれません。

強いパンチを打つだけではなく、強いパンチを打ち続けなければいけません。そのためには下半身のパワー、つまり脚力のスタミナと爆発力のある下半身の筋力が必要なのです。

下半身の筋力をつけるために
・毎日の走り込みを習慣にする。
・短距離ダッシュを取り入れる。
・バーベルなどを使った下半身トレーニングを取り入れる。

筋肉がさほど無いのにパンチ力がある選手がいるのはなぜか?

よくボクシングの試合では、見た目は細身でもKOパンチャーのようなとても強烈なパンチを打つ選手がいますよね。

一見筋骨隆々の選手の方がKOを量産しそうな気もしますが、決してそんなことはありません。

これはなぜでしょうか?

それはボクシングというのは筋力だけではない色々な要素が絡み合った競技であるからです。

ボクシングにおける筋力は重要な要素ではあることは事実です。ただし、これ以外にも多くの重要な要素があります。

  • タイミング(カウンターパンチとはこのタイミングを狙ったものになる)
  • スタミナ(スタミナが無ければスピードやパワーは落ちる)
  • 弱点を狙える巧さ(例:テンプル、顎、レバー)
  • 経験・試合の組み立て方(試合運び)
  • テクニック(相手よりも巧いかどうか)
  • スピード(相手よりも速いかどうか)
  • 体格(相手よりも大きく長いかどうか)
  • 筋力(相手よりも力が強いかどうか)

これらを総称して「あの選手はパンチ力がある」と言ったりします。

つまりボクシングにおけるパンチ力とは、総合力なのです。筋力というのは多くの要素の1部分に過ぎないということですね。

もし筋力能力だけが高くても、そのほかの要素のレベルが低いとどいでしょうか。答えは言わなくてもおわかりだと思います。

筋肉がないのにパンチがある選手というのはこれらの総合力の高い選手なのです。

ボクシングをすればどこの筋肉が使われ鍛えられるか

結論から言えば全身です。

ボクシングは瞬発的な全身運動なので、下半身から体幹、上半身まで全てを鍛えることが出来ます

とりわけ撃ち方や個々の選手のスタイルによっても利く箇所は変わってくるので一概には言えませんが、特にパンチは腕や拳で打つため、肩周りや腕周りの筋肉はシェイプされます。

その他、見える部分(上半身の魅せ筋)では

  • 広背筋(背中の筋肉)
  • 上腕二頭筋(力こぶ)
  • 三角筋(肩)
  • 上腕三頭筋(腕を伸ばした時の後ろ側の筋肉)

これらの筋肉を鍛えることが可能になります。

ボクサーは筋トレをやるべきかどうかについて

結論、私は筋トレはやるべきだという考えです。(これは賛否あります)

なぜならスタミナや筋持久力や爆発力は筋力から生まれるからです。例えば同じ60キロで試合をするならより筋力がある方が有利なわけであります。

ただ、ボクシングは階級制のスポーツであるので、筋肉をつけすぎるあまりに減量が不利になっては本末転倒です。

また、注意しなければならないのは筋トレの種類です。

例えばさきほどパンチ力をアップさせるには下半身のパワーを向上させるべきだと述べました。にも関わらず上半身の筋トレだけ(ダンベルプレス、ベンチプレス、ショルダープレスなど)やっていてはパフォーマンスの向上は期待できませんよね。

例えばメイウェザー選手ではどうでしょうか。

メイウェザーも筋トレを取り入れている選手です。その中でも目立つ種目は、

  • 懸垂
  • ダンベルシャドー

主にこの2つです。これを筋トレ(ウエイトトレーニング)と呼べるかは色々な見方があると思いますが、こうみると何十キロもあるような上半身のバーベルを使ったトレーニングではなく軽めの自重筋トレや軽いダンベルトレーニングを行っています。

逆にティモシーブラッドリーのようにバーベルでのスクワットやハイクリーンで下半身や体幹のトレーニングを積極的に取り入れている選手もいます。

選手それぞれにより鍛え方や筋トレの種目は異なりますが、不利にならない程度に積極的に取り入れるべきものです。

筋トレの考え方
・筋トレはするべきだ。
・筋トレの種類には気をつけるべき。
・筋トレをやりすぎて減量やパフォーマンスを落とさないようにするべき。

結局、どんな筋トレをすれば良いか?

ボクシングパフォーマンスを向上させることを目的にするのであれば以下のウエイトトレーニングが効果的と言えます。

ダンベルシャドー

2kg、5kg、10kgなどそれぞれ両手にダンベルを持ち、シャドーボクシングを行います。これを行うことで、伸長筋群(腕を支える三角筋や上腕三頭筋)が鍛えられるため、パンチ力に直結する有効な筋トレと言えます。

懸垂

ボクシングでは背中の筋肉がパンチ力に繋がります。

前に力を押し出す筋肉というのは実は前の屈筋群ではなく、後ろの背筋群です。懸垂をすることで、この背筋群全体を鍛えることが出来ます。最強の筋トレといって過言ではありません。

スクワット

バーベルありなしはここでは問いませんが、ボクシング競技を行うボクサーがバーベルを使ったトレーニングをしたいのであれば、この種目が一番良いと考えます。

2002〜2006年頃活躍していた人気ボクサー、リッキハットンというインファイターやティモシーブラッドリーなど色々な有名ボクサーがこのトレーニングを取り入れています。

バーベルカーフレイズ

世界チャンピオンを多数排出している都内の某有名ジムではこの筋トレを取り入れています。(重量はもっと軽いです20kgぐらい)

簡単に言えばふくらはぎのトレーニングです。瞬発的なステップインをする際にかなり重要になる筋肉です。

筋トレは補強という考え方で

ボクシングにおいてはメインはあくまでもパンチを打つこと、パンチを避けることです。筋トレがメインになっては本末転倒です。

ボディビルダーになるなら話は別ですが笑

なので筋トレは全体練習の2〜3割におさえて、メインはボクシングトレーニングをしなければなりません。

基礎的なシャドー、サンドバック、ミット、スパーリング、マススパーなどをこなした上での補強としてあるべきです。







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ジュタカ

海外駐在員として、アジアで働いております。当ブログでは、「世界」をテーマに仕事や旅行情報を個人の体験談を交えながら発信しております。また、「タイ」と「ボクシング」が好きでこの分野の情報も多いです。

【趣味】ボクシング、旅行
【好きな国】タイ、香港・澳門

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