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ボクシングは独学は可能かどうかについて
ボクシングの独学は可能でしょうか。
独学はやめた方がいいという意見が巷には多いように思いますが果たしてどうでしょうか。
結論から申し上げますと独学での学習は全く問題ありませんが、まだ基礎ができていない初めたばかりの頃はやめたほうが宜しいかと思います。
全くの初心者が独学でボクシングを学ぶのは無理があります。
そもそも独りではボクシングはできません。
- 相手がいなければ間合いやタイミングを練習できない。
- 指導者や上級者からの指導を受けられない。
- 色々なタイプの相手とスパーリングできない。
- 体の使い方などの指導を受けられない。
- 戦術や戦略など実践的な内容を学ぶことができない。
しかし、決して独学がいけないということではなく、一度基礎さえ出来上がってしまえば、あとはどうぞ好きなだけ独学していってくださいということです笑。
むしろ本気で上を目指すのであれば独学しなければ上には行けません。
自ら学ぶ姿勢がなければスキルは頭打ちになるからです。
では、なぜ基礎ができる前に独学でやってはいけないのでしょうか。
それは、初めのうちに独学でやると、自己流になり悪い癖がつきやすいという傾向があるためです。
初めのうちは「正しい基礎動作」というものをイメージできないため、自分の誤った動きのまま練習を継続してしまうことになります。
具体的には、
- 利き手でパンチを打った時に反対側の手ががら空きになる(ガードが身につかない)。
- 腕を上げて高いガードをキープできないため、ガードが下った状態が身についてしまう。
- 単発傾向の攻撃パターンになってしまう。
初めのうちはこのような悪い癖がつくのが特徴です。
特に防御に関する要素が甘くなってしまいます。
アマチュア・プロ問わず、キャリアのある指導者に教えてもらえば、随時練習の中で注意・指摘を受けることができます。
そして、その場で修正していくことができるのです。
だからこそ、本気で上を目指すのであれば初めのうちは独学はやめて、きっちりとした指導者から学んで下さい。
上級者やチャンピオンを目指すなら最初基礎を身につけるまでは独学はやめましょう。
上を目指したいのであれば遠回りになります。
強くなりたければ手っ取り早くジムや指導者のところに行くべきです。
理由としては、指摘されなければ気づかないことが多いからです。
ボクシングを単純に自己満足として楽しみたいのであれば、独学でやることは何も問題はないでしょう。
ぜひやってみてください。
ただし、本気でボクサーとしてキャリアを積みたいのであればおすすめはしません。
自己流ボクシングには限界がある
自己流でスキルを上げるのには限界があります。
趣味なら自己流でも問題ありませんが、本気で上に行きたいならきっちりとした指導を受けられる場所に行くべきです。
なぜなら、自己流ですと間違った動作や打ち方に気づかずにそのまま継続してしまう恐れがあるためです。
具体例としては、実際に私がかつて自己流でボクシングをやっていたからです。
私は学生時代ボクシング部に所属していたのですが、コーチは週に土日のどちらか一回来て教えるという部活でした。
当時は週4~5日で練習をしていたのですが、コーチが居ないので先輩に指導をしてもらうか、独学しかありません。
これですと一定のところまではいけますが、それ以上なかなか技術が伸びないのです。
全日本選手権の県予選で反則負けをして敗北したのをきっかけに「独学では限界がある」と反省し、私は都内の名門ボクシングジムの門を叩きました。
そこで部とジムの掛け持ちが始まります。
結果的にそれをきっかけにして、私は技術力をそれまで以上に飛躍的に伸ばすことができました。
独学だけでは実践経験を積むことができない
当たり前ですが、ボクシングにおいて一番スキルを伸ばすことができるのは実践の場です。
独学だけですとこの実戦経験を積むことができません。
理由としては、そもそもボクシングという競技は相手がいて成り立つものだからです。
人間関係も同じですが、相手との対峙からでしか学べないことがとても多いスポーツです。
具体的には、
- タイミング
- カウンター
- 戦術や戦略
これらは相手がいて初めて学べるものです。
ボクシングは、ただパンチを出せば相手に当たるという単純なものではありません。
相手は常に動いています。
その動きの中でいかにうまく当てるかを競い合うスポーツです。
相手がいなければこの技術を養うのは難しいのです。
本や映像でボクシングを独学できるのかについて
本や映像でボクシングを学ぶことはできます。
これはとても大事な練習です。
映像や本での独学を推奨はしますが、勘違いしてほしくないのは、イメージはできてもそれを実践で出せる能力がつくわけではないということです。
ボクシングで大事なのはイメージしたことを実践で応用するところにあります。
頭に入れたことを実際に練習や実践で試していくことに学びの価値があります。
映像はイメージトレーニングになります。
昔ジムのトレーナーから言われていたのが、
「ボクサーは試合を観ることも練習の一つだ」
ということです。
私は映像を使った独学方法でボクシング技術の向上のために活用していました。
自分が理想とするタイプの選手のビデオを何度も繰り返し観て、実際の練習でそれを反復しました。
また、書籍ではパンチの種類や打ち方やルールなどを学ぶことができます。
映像だけでは分かりにくい細かい部分の解説がありますので、パンチの引き出しを増やすには良いツールです。
本気ならまずは正しい基礎・型を身につけることから
本気で取り組むのなら、まずは正しい型を身につけることからスタートして下さい。
なぜなら間違った型では、攻撃面においては上手なパンチの伝え方ができないですし、防御面においては相手からのパンチをもらいやすくなってしまう原因になるからです。
攻撃と防御ともに間違ったベクトルのまま進んでしまいます。
例えば、私も以前は独学に近いかたちでやっていた頃は、本当の意味では型ができていませんでした。
どれだけウエイトトレーニングをして筋肉をつけても、それを活かした強いパンチが打てないのです。
原因は打ち方(型)にありました。
その後、上記でご説明したように、プロのジムでその基礎を学んだあとは、一気にパンチの質が変わったのを覚えています。
強いのだけれども相手に効かせられないパンチから、比較的に軽く打ったつもりでも相手に効かせられるパンチに変わりました。
日本の武道の世界には「守破離(しゅはり)」という言葉があります。
これは簡単にご説明しますと、
- まず「守」師匠から教えられた型を徹底的に守ることに始まります。
- 次に「破」自分に合うように改善します。
- 最後に「離」型から離れて独自の技術を作るという段階を意味します。
つまり、武道や芸術といった技芸の世界では、まず何よりもまず初めに師匠から正しい型を身につけるということが優先事項の一番目にやるべきことなのです。
独学や自己流というのは、守破離でいうと最後の「離」になります。
初めのうちはまずは「守」から始めなければなりません。
基礎ができてからは独学あるのみ
最初はしっかりとした指導者から基礎を学びますが、基礎ができた後はどんどん独学していかなければ強くなれません。
これはどんな分野でも同じだと思います。
自分から聞きにいく姿勢や、学びにいく姿勢がなければ技術は伸びないからです。
なので、最初に基礎ができた後はどんどん独学していきましょう。
ボクシングの独学や研究というのは非常に楽しいものです。
色々な選手の映像を見て、パンチの打ち方や攻撃の組み立て方を学ぶのは新鮮で刺激的なことです。
これをしない選手は伸びません。
自己満足程度であれば独学でもOK
ボクササイズなどもあるように、ボクシングをやった気になるのは非常に楽しいものです。
趣味や自己満足の範囲であれば初めのうちから独学でも全く問題ないと思います。
相手にパンチを当てることも、逆にパンチをもらうこともありません。
いくらでも好きな動きで好きなパンチを打つといいでしょう。
ストレス解消にもなります。
ダンスのような動きでシャドーをしても良いですし、サンドバックも好きなだけ打って疲れたらどれだけ休んでもいいのです。
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